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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻10号

2004年09月発行

今月の主題 大腸sm癌の深達度診断―垂直浸潤1,000μm

主題症例

拡大内視鏡にてVN型pit patternを呈したIIc+IIa型直腸粘膜内癌の1例

著者: 堀田欣一1 小山恒男1 友利彰寿1 宮田佳典1 森田周子1 米湊健1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.1413 - P.1417

文献概要

要旨 患者は59歳,男性.大腸ポリペクトミー後の経過観察にて直腸病変を指摘された.大腸内視鏡にて直腸S状部に10mm大の境界明瞭な陥凹性病変を認めた.肛門側には辺縁隆起を伴い,陥凹内部にさらに一段深い陥凹を認めた.拡大内視鏡では陥凹内部はVI型,一段深い陥凹部はVN型を呈し,藤井らのInvasive patternと診断した.術前深達度SM2と診断の上,腹腔鏡補助下高位前方切除術を施行した.病理診断は高異型度高分化~中分化腺癌,深達度m,ly0,v0,n(-)であった.VN型を呈した理由として同部は中分化腺癌から構成され,表層は被覆上皮が脱落し,びらんを形成していたためと考えられた.

参考文献

1)山野泰穂,工藤進英,今井靖,他.拡大内視鏡による早期大腸癌の深達度診断.胃と腸 36 : 759-768, 2001
2)藤井隆広,加藤茂治,斎藤豊,他.早期大腸癌の深達度診断におけるEUSと拡大内視鏡の位置づけ―拡大内視鏡を重要視する立場から.胃と腸 36 : 817-827, 2001
3)中村尚志,山村彰彦,細井董三,他.拡大内視鏡を重要視する立場からみた早期大腸癌の深達度診断の有用性―V型亜分類とクリスタルバイオレット染色併用法の必要性について.胃と腸 36 : 829-836, 2001
4)工藤進英.早期大腸癌―平坦陥凹型へのアプローチ.医学書院, 1993
5)田中信治,寺井毅,他.座談会―V型pit pattern診断の臨床的意義と問題点.早期大腸癌 5 : 595-613, 2001
6)藤井隆広,下田忠和.国立がんセンター大腸内視鏡診断アトラス.医学書院, 2004
7)池松弘朗,藤井隆広,松田尚久.大腸内視鏡における誤診例の検討.Gastroenterol Endosc 45 : 1656, 2003
8)小林望,藤井隆広,斎藤大三.拡大内視鏡“Invasive pattern”と組織所見との対応.Gastroenterol Endosc 44 : 1400, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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