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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻11号

2004年10月発行

今月の主題 胃生検診断の意義 Group分類を考える

主題

胃生検Group分類の問題点―臨床医からみた問題点:アンケート報告

著者: 浜田勉1 大谷吉秀2 岩下明徳3 八尾隆史4

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科 2慶應義塾大学医学部外科 3福岡大学筑紫病院病理部 4九州大学大学院医学研究院形態機能病理

ページ範囲:P.1456 - P.1461

文献概要

要旨 Group分類に関してアンケート調査を行い50の臨床施設から回答を得た.異型度の指標として簡便で,インフォームド・コンセントのときにも使いやすいなどの利点により,Group分類は臨床の場で必要だが,Group IIIやGroup II or IVがあいまいで,病理医よって分類に差があることが指摘された.Group IIIに対してはGroup II or IVと区別し腺腫に限定して使用する意見が多数あり,Group IVに対してはすぐに再検査するが,Group Vと同様に扱い切除治療を考慮する意見もあった.Group分類を改訂することについては,国際的に通じる分類にという意見が多かったが,改訂に慎重な意見もみられた.Vienna分類に関してはGroup分類とは差がありすぎるとする意見が多かった.臨床医と病理医との連携については病理医は98%で内視鏡所見や生検部位などを参考にしていた.また,内視鏡所見や生検部位などの臨床データが不十分な場合,86%の施設で病理医からの問い合わせがあり,日常臨床において臨床医と病理医の円滑なコミュニケーションが行われている実態が示された.

参考文献

1)石黒信吾.胃癌の病態生理―先行・前癌病変.飯田三雄(編).胃癌.最新医学社,pp 34-41, 2003
2)高橋寛,藤崎順子,神山知子,他.長期観察および内視鏡的切除例からみた胃腺腫の治療方針―積極的に治療する立場から.胃と腸 38 : 1411-1418, 2003
3)浜田勉,近藤健司,下屋正則,他.胃扁平隆起性病変の臨床的対応―生検とEMR標本の診断を対比して.胃と腸 34 : 1513-1520, 1999
4)川口実,工藤拓,坂井康明,他.胃生検でGroup Vと診断された症例の臨床的対応―陥凹型病変を中心に.胃と腸 34 : 1521-1529, 1999
5)浜田勉.患者さんへの情報提供とインフォームドコンセント―胃癌・胃腺腫.治療 83 : 913-916, 2001
6)大倉康男.胃癌の診断―病理組織診断.日本臨床 59 : 219-223, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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