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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻11号

2004年10月発行

今月の主題 胃生検診断の意義 Group分類を考える

座談会

胃生検Group分類―私はこう考える

著者: 川口実1 今村哲理2 細川治3 愛甲孝4 岩下明徳5 海崎泰治6 伊藤以知郎7 下田忠和8

所属機関: 1国際医療福祉大学附属熱海病院内科 2札幌厚生病院胃腸科 3福井県立病院外科 4鹿児島大学第1外科 5福岡大学筑紫病院病理部 6福井県立病院臨床病理科 7静岡がんセンター病理診断科 8国立がんセンター中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.1510 - P.1527

文献概要

はじめに

 下田(司会) 本日はお忙しいところお集まりいただき,ありがとうございました.今日はご意見をいろいろおうかがいしながら,使いやすいGroup分類とはどういうものか,あるいは生検診断と臨床所見との整合性をいかにするか,ということも含めて,まとめていきたいと思っております.皆様ご存じのように,胃生検のGroup分類は,1971年に当時の胃癌取扱い規約委員会の中で病理系の委員によって決められたのが最初でございます.当時使われておりました細胞診のパパニコロー(Papanicolaou)分類(class I,II,III,IV,V)というのがございますが,この分類の基本はIとIIIとVです.それに準じて最初の胃生検Group分類が作られたというのが実情です.その当時のGroup IIIは,良悪性境界領域病変となっておりますが,その後腺腫(adenoma)の概念がはっきりしてまいりまして,Group IIIも含めて,もう少しきちんと現状に即した分類に直したほうがいいだろう,ということで,1985年に故喜納勇先生を中心としてこのGroup分類の見直しが行われました.そのときにGroup IIIとGroup IIに大きな変更が加えられ,それが先生方のお手もとにある新旧の比較をしたものでございます(Table1).その後多少の字句の訂正などが加えられて1993年に基本を維持したまま,胃癌取扱い規約に載せられて現在に至っています.しかし,それからの10年間に胃癌の組織型を含めまして,いろいろなことがわかってまいりました.それに従って,現在のGroup分類が本当にいいのかどうか,あるいは使いやすさがどうであるか等,いろいろ議論されるようになり,その話題が昨年の胃癌学会でも取り上げられました.本日は今までの流れを踏まえて,Group分類の現状はどうであるか,そして先生方がどのような問題点をお考えであるか,ということをおうかがいしたいと思います.その前に,生検診断は現在では通常一般的に行われているわけです.生検をされる臨床の先生方に,その生検診断に何を求めているのか,ということをおうかがいしたいと思います.まずは川口先生から口火をお願いします.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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