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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻11号

2004年10月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

IIc+IIa型直腸内分泌細胞癌(m癌)の1例

著者: 黒河聖1 今村哲理1 安保智典1 本谷聡1 森本一朗1 奥田博介1 萩原武1 吉井新二1 西岡均1 山崎健太郎1 村岡俊二2 益子博幸3 近藤征文3

所属機関: 1札幌厚生病院胃腸科 2札幌厚生病院病理 3札幌厚生病院外科

ページ範囲:P.1547 - P.1554

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要旨 症例は62歳,男性.検診にて便潜血反応陽性となり大腸内視鏡検査施行.直腸に陥凹性病変を認め,精査入院となる.陥凹面の大部分は再生上皮粘膜で一部に腫瘍性病変を認め,生検にて内分泌細胞癌と診断.低位前方切除術を施行し,直腸(Rb),左壁の0-IIc+IIa,癌部の大きさ2.5×2.0mm(非癌部を含めると11×9mm),m,ly1,v0,n0,stage0であった.本例は,内分泌細胞癌のみより形成される粘膜内癌であり,病変部において腺癌の合併は認めず,p53,Ki-67染色においても高異型度を呈していた.内分泌細胞癌の発生経路からも興味ある症例と思われ報告した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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