icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻11号

2004年10月発行

--------------------

編集後記 フリーアクセス

著者: 大谷吉秀

ページ範囲:P.1556 - P.1556

文献概要

 Group分類はこれまでも主題に取り上げられてきた(19巻10号「胃生検の問題点」,29巻2号「胃良・悪性境界病変の生検診断と治療方針」).今回はVienna分類の紹介と既存のGroup分類との対比を念頭に置いて,わが国におけるGroup分類の現状を浮き彫りにすることを目指して,複数の病理医によるプレパラートの評価,臨床医と病理医双方へのアンケート調査結果,座談会など盛りだくさんの情報が大変コンパクトに収載された.

 胃癌取扱い規約に掲載されて以来,Group分類は質的診断と併記して用いられ,広く普及した.“わが国と欧米の診断基準の相違を埋めるために提案されたVienna分類は,早期癌の統計や治療成績の国際比較に当たっては利用に値する”(加藤論文)とされる.国際的に認知されるために,共通の理解に基づいた記載方法(カテゴリー分類)が必要なことも事実である.しかしながら,臨床医の立場では,座談会でも述べられているように,all or nothingを示しうる情報伝達の手段のほうが,より簡潔でわかりやすい.IとV,そしてグレーゾーンとしてのIII.これのみで事足りるというのが,患者さんを前にして,インフォームド・コンセントをとる際の臨床医の実感である.これらのギャップについて問題点を明らかにし,読者の方々に関心を持っていただくことが本主題「胃生検診断の意義―Group分類を考える」のねらいである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら