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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻12号

2004年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管の画像診断―21世紀の展開 序説

わが国における消化管画像診断の歴史と今後の展望

著者: 牛尾恭輔1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構九州がんセンター

ページ範囲:P.1563 - P.1571

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は じ め に

 消化管の内腔を描出する診断学において,早期胃癌に代表されるように,わが国のX線と内視鏡診断が果たした役割は大きく,世界をリードした.これはあくまで病理組織像に立脚した実証主義を,追求してきたことによる.その後,超音波内視鏡,CT,MRIの登場は,壁内や壁外の診断に力を発揮し,CT colonography,MR hydrographyとして実用化され,小腸のカプセル内視鏡やダブルバルーン法も開発され,実用化されている.さらには,非可視光内視鏡,超拡大内視鏡による生体内細胞診断,PET(positron emission tomography)などによる形態と機能診断も,注目を浴びている.21世紀には,これらの検査による集学的な診断学が,必要となるであろう.そこで,これまでの消化管診断学の歴史と,現在行われている消化管の画像診断の現況を踏まえて,新展開しつつある21世紀の診断学のありかたについて述べる.

 ところで,消化管の疾患の中で腫瘍,特にがんの研究は,21世紀でも最も重要であることには変わらないと思われる.今年度から第3次対がん10か年総合戦略(2004~2013年度)の研究事業が,新たに開始された.この戦略はがん研究において,わが国が進むべき方向性を示している.世界で最も進んでいる消化管の診断学における今後のあり方にも,関連する面が多いので紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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