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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻12号

2004年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管の画像診断―21世紀の展開 主題

新しい内視鏡検査・診断の展望―非可視光(赤外線,蛍光)内視鏡による質的診断

著者: 上堂文也1 石原立1 飯石浩康1 荻山秀治1 山田拓哉1 杉本直俊1 今中和穗1 東野晃治1 楢原啓之1 竜田正晴1 矢野博之2 三谷健一郎3 井関和成4

所属機関: 1大阪府立成人病センター消化器内科 2大阪府済生会富田林病院内科 3社会保険紀南綜合病院消化器科 4井関クリニック

ページ範囲:P.1643 - P.1649

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要旨 通常の可視領域の白色反射光をとらえて画像化する内視鏡装置に対して,照射光に紫外光・近赤外光などの非可視光やレーザー光を用いたり,励起光を照射した際に生ずる肉眼では見えない微弱な自家蛍光を診断に応用する試みは古くから行われてきたが,研究的色合いの濃いものであった.しかし,最新の電子機器技術の進歩とともに,それら画像装置の操作性や画質は飛躍的に向上している.新しい自家蛍光電子内視鏡装置(AFI)では大腸ポリープの色調差により内視鏡治療の要否の基準となる腫瘍・非腫瘍の鑑別をリアルタイムにできる可能性がある.2波長赤外線電子内視鏡では,超音波内視鏡での深達度診断が困難な潰瘍性変化を伴う早期胃癌の深達度診断に対する有用性が示唆された.非可視光を利用した内視鏡装置は高解像度電子内視鏡システムの導入により臨床応用への可能性が一気に高まっており,21世紀の消化器内視鏡領域においては,これまでの白色光観察とは全く異なった視点での診断体系が確立されてくるものと思われる.

参考文献

1)Yano H, Tatsuta M, Iishi H, et al. Diagnosis of early gastric cancer by Light-induced fluorescence endoscopy. Hepato-Gastroenterology(in press).
2)Iseki K, Tatsuta M, Iishi H, et al. Effectiveness of the near-infrared electronic endoscope for diagnosis of the depth of involvement of gastric cancers. Gastrointest Endosc 52 : 755-762, 2000
3)Uedo N, Iishi H, Tatsuta M. Diagnosis of esophageal squamous cell carcinomas using endoscopic screening with light-induced autofluorescence endoscopy. Gastrointest Endosc 57 : AB140, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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