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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻12号

2004年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管の画像診断―21世紀の展開 主題研究

マイクロCT―消化管微細診断の可能性について

著者: 森山紀之1 小原和史1 関口隆三2 石原敏裕2 中屋良宏3 仁木登4 松井英介5

所属機関: 1国立がんセンターがん予防・検診研究センター 2国立がんセンター東病院放射線部 3静岡がんセンター画像診断科 4徳島大学工学部光応用工学科 5東京都予防医学協会

ページ範囲:P.1675 - P.1678

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要旨 近年のME機器の進歩については目覚ましいものがありCTにおいてもヘリカルCT,マルチスライスCTの新しい機器が登場しコーンビームCTや光CT等の開発が行われている.今回われわれが開発を行っている超拡大CT(マイクロCT)では静止物で10μmの分解能を得ることができる.このマイクロCTを用いて正常胃,胃癌,正常回腸および大腸癌に対しての撮影実験を行った.結果は消化管表面の微細な構造を描出することは可能であったが消化管壁の層構造および癌部と非癌部の境界を描出することはできなかった.これはマイクロCTが優れた空間分解能を有するが密度分解能が不十分であることが原因と考えられた.また,病理標本の顕微鏡検査では染色により組織構造を明らかとしているものであり,マイクロCTにおいても造影剤等による組織間のX線透過性に変化を生じさせる処置が必要と考えられた.マイクロCTによる消化管表面の解像度には優れたものがあり,今後,体動に対する対策とマイクロCTによる拡大virtual endoscopy systemの開発を行うことによって精細な消化管表面の情報が得られるものと考える.

参考文献

1)松井英介,仁木登,藤井正司,他.顕微鏡CTによる肺野末梢腺癌の形態解析.臨床放射線 47 : 100-108, 2002
2)中屋良宏,仁木登,藤井正司,他.顕微鏡CTの開発状況と物理評価.放射線撮影分科会誌 38 : 6 -7, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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