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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻12号

2004年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管の画像診断―21世紀の展開 座談会

消化管の画像診断―将来を予測する

著者: 今井裕1 小倉敏裕2 中村哲也3 山本博徳4 田中信治5 八尾隆史6 牛尾恭輔7 田尻久雄8

所属機関: 1東海大学医学部基盤診療学系画像診断学 2癌研究会附属病院放射線部・群馬県立医療短期大学診療放射線学科 3独協医科大学光学医療センター内視鏡部門 4自治医科大学消化器内科 5広島大学光学医療診療部 6九州大学大学院医学研究院形態機能病理学 7九州がんセンター画像診断部 8東京慈恵会医科大学内視鏡科

ページ範囲:P.1679 - P.1696

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 牛尾(司会) 本日はお忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます.座談会「消化管の画像診断―将来を予測する」を始めさせていただきます.消化管の内腔を描出する診断学において,早期胃癌に代表されますように,わが国のX線および内視鏡診断は世界に誇る大きな業績を上げました.しかも,ただ画像だけではなくて精神的にもと言いましょうか,哲学,思想的にも病理組織,切除標本と対比を行ったというところに真髄があるのですね.先達の先生方が行ってこられた画像と病理組織との比較とその実証主義がこの発展を支えたのです.その後,超音波内視鏡,CT,MRIが登場して,消化管の壁内のみならず壁外の診断法が出てきた.いわゆる断層像の診断が確立してきたのです.一方,コンピュータ技術,医用光学,さらにはネットワーク環境が整って,ヘリカルCTを応用した消化管診断が,例えばCT colonographyとかMR hydrographyとして実用化されてきたわけです.さらに最近ではカプセル内視鏡,ダブルバルーンによる小腸内視鏡が現れてきました.その他にもいろいろな技術の革新がありました.この座談会ではそういうところを先生方に評価していただき,その問題点とか将来展望なども論じていただきたいと思います.それからもう1つ,ご存じのように,2004年から日本で第3次の対がん10か年総合戦略が始まりました.その中で癌に関して見ると,予防が重要視されています.その第2次予防として病変の早期発見や早期診断,さらにQOLの向上を目指した早期治療が重要なテーマとして挙がってきています.私はその第3次対がん総合戦略の企画・評価・運営会議の委員をしております.今日は先生方から話をうかがいまして,政策の中に反映させていきたいと思っています.よろしくお願いいたします.

 まず最初に画像診断の現状について述べていきたいと思います.今井先生は放射線科で,熊倉賢二先生(慶應義塾大学)のもとで二重造影をずっとされておられました.その後現在ではフラットパネルの診断もされて,最近ではMRI,CTの権威でいらっしゃいます.出発点は二重造影ですから,まず先生から現状の粘膜面の診断に関してお話ししていただけませんか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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