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今月の症例
深達度診断に苦慮したIs+IIc型早期直腸癌の1例
著者: 吉森建一1 鶴田修1 河野弘志1 辻雄一郎1 唐原健1 豊永純1 佐田通夫1 有馬信之2
所属機関: 1久留米大学第2内科・消化器病センター 2久留米大学病理
ページ範囲:P.132 - P.134
文献購入ページに移動〔現 病 歴〕 2001年3月末より排便時出血を認め,近医受診された.直腸に隆起性病変を認めたため,精査加療目的にて当大学消化器病センター紹介受診となる.
〔注腸造影所見〕 直腸(Rb)後壁に大きさ約7mm大の隆起性病変が存在し,その中央に不整形のバリウム斑を認めた(Fig.1).側面像においては明らかな変形像は認めなかった(Fig.2).
〔通常内視鏡所見〕 全体的に発赤調を呈し,中心に浅い陥凹を伴うIs様の隆起性病変を認めた.緊満感,表面粗粘膜等の所見は認めなかった(Fig.3).
〔色素内視鏡所見〕 インジゴカルミン撒布像では,通常内視鏡所見で認めた不整形の陥凹が明瞭となった.ひだ集中等の病変周囲部伸展不良所見は認めなかった(Fig.4).
〔拡大内視鏡所見〕 0.075%ピオクタニン染色にて施行した.中心の浅い陥凹部は輪郭不明瞭なVI型pitとその一部に染色不良の部位を認めた(Fig.5).丈の高い隆起の部分は腺管密度の低下したIIIL型pitを認め,病変の肛門側の立ち上がりにII型pitを認めた(Fig.6).
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