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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻3号

2004年03月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

PG型でsm2浸潤を呈した直腸癌の1例

著者: 奥田博介1 鈴木一也1 田中浩紀1 田賀理子1 前森雅世1 酒井基1 木村裕一1 米澤和彦1 阿部敬1 登坂松三1 菅野紀明2 吉田豊3 今井浩三4

所属機関: 1市立釧路総合病院内科・消化器内科 2市立釧路総合病院外科 3市立釧路総合病院検査科病理 4札幌医科大学第1内科

ページ範囲:P.337 - P.342

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要旨 患者は48歳,女性.右下腹部痛を主訴に近医を受診.大腸内視鏡検査が施行され,直腸に隆起性病変を認め,精査・加療目的に当院紹介となる.注腸X腺検査,下部消化管内視鏡検査にて,Rsに大きさ約15mmのIs型病変を認めた.隆起の起始部は腫瘍粘膜で構成されていることからPG typeと判定した.病変の表面は分葉構造を呈し,表面粗であった.同部位に輪郭不明瞭なVI型pit patternを認めた.深達度sm massiveと診断し高位前方切除術施行.組織学的に腺腫を合併する細胞異型度の高い高分化型腺癌深達度sm2,ly0,v0,n1であり,腫瘍先進部において簇出像が認められた.

参考文献

1)辻雄一郎,鶴田修,河野弘志,他.Ip・Isp型大腸癌の深達度診断─拡大内視鏡を中心として.胃と腸 37 : 1571-1581, 2002
2)下田忠和,池上雅博,鄭鳳鉉,他.早期大腸癌の病理学的検討.胃と腸 22 : 967-976, 1987
3)鶴田修,有馬信之,豊永純,他.早期大腸癌の深達度診断─内視鏡および実体顕微鏡所見を中心に.胃と腸 29(増刊号): 85-97, 1994
4)下田忠和.Ip・Isp型大腸sm癌.胃と腸 37 : 1505-1506, 2002
5)菊池陽介,津田純郎,頼岡誠,他.Isp・Ip型大腸sm癌の深達度診断─通常内視鏡および超音波内視鏡を中心に.胃と腸 37 : 1611-1622, 2002
6)藤谷幹浩,斉藤裕輔,渡二郎.Ip・Isp型大腸癌の深達度診断─超音波内視鏡を中心として.胃と腸 37 : 1601-1609, 2002
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8)長谷和生,望月英隆,小林聖彦,他.直腸癌における腫瘍簇出の予後規定因子としての意義に関する検討.日消外会誌 25 : 2765-2772, 1992
9)小林正明,渡辺英伸,前尾征吾,他.大腸sm癌の新しいsm浸潤度分類からみた組織異型度・発育先進部簇出像と脈管侵襲・リンパ節転移との相関.胃と腸 29 : 1151-1160, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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