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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻4号

2004年04月発行

特集 消化管の粘膜下腫瘍 2004

総論 3. 消化管粘膜下腫瘍のX線診断

1)上部消化管

著者: 浜田勉1 近藤健司1 北條裕美子1 奥田圭二2 北村成大3 岩崎良三4 東馨5 八巻悟郎5

所属機関: 1社会保険中央総合病院内科 2社会保険中央総合病院放射線科 3社会保険中央総合病院病理 4順天堂大学消化器内科 5医療法人社団こころとからだの元氣プラザ消化器科

ページ範囲:P.413 - P.428

文献概要

要旨 粘膜下腫瘍(非上皮性腫瘍)のX線診断における基本的な4つの要素について述べた.隆起表面の性状は正常粘膜で覆われ平滑であり,隆起の立ち上がりは山田I型を呈するものでは境界が不鮮明だが大きくなると山田II型やIII型様に境界は鮮明となる.しかし,胃外性発育するものや胃壁外からの圧排ではX線診断が困難であった.bridging foldは粘膜下腫瘍に特徴的ではあるが粘膜下に腫瘍組織が存在すれば他の疾患でも出現することがあるので注意する.隆起が大きくなると頂上に中心陥凹がみられるが陥凹の大きさにより悪性腫瘍との鑑別が必要となる.X線診断の実際にあたっては大きさ,部位,壁外性圧排の有無,硬さの程度をみることも重要であった.さらに,良悪性や上皮性か非上皮性かの判断には中心陥凹やbridging foldの性状に注目する必要があった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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