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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 消化管の粘膜下腫瘍 2004 総論 3. 消化管粘膜下腫瘍のX線診断

2)下部消化管

著者: 五十嵐正広1 小林清典1 佐田美和1 奥野順子1 吉澤繁1 勝又伴栄1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科

ページ範囲:P.429 - P.445

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要旨 小腸の粘膜下腫瘍は,管腔内発育,壁内発育,管腔外発育の形態をとる.特に管外性発育を呈する病変の拾い上げ診断には,充盈像による圧迫が重要であり,陰影欠損やニッシェ(バリウム斑)を見つけだすことが拾い上げ診断に重要である.小腸の粘膜下腫瘍は腸重積の原因となる.大腸の粘膜下腫瘍は,大きさによって種々の形態を認める.その特徴は,①立ち上がりなだらか,②表面は正常粘膜に被覆され平滑,③bridging foldを伴う,④緊満したものが多い,⑤脂肪腫・リンパ管腫・粘液腫などは柔らかく形態が変化する.鑑別診断は,上皮性の癌や転移性腫瘍,子宮内膜症や炎症性腫瘤など多彩なものが含まれるが粘膜下腫瘍の特徴を見い出せば診断は容易である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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