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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻5号

2004年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍に対する拡大内視鏡観察―V型pit pattern診断の問題点 総説

大腸腫瘍に対する拡大内視鏡観察と深達度診断―箱根シンポジウムにおけるV型亜分類の合意

著者: 工藤進英1 倉橋利徳1 樫田博史1 大塚和朗1 竹内司1 深見悟生1 田中淳一1 石田文生1 遠藤俊吾1 木暮悦子1 加賀まこと1 笹島圭太1 工藤由比1 佐々木廣仁1 大前芳男1 大森靖弘1 大谷響1 藤原裕之1

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院消化器センター

ページ範囲:P.747 - P.752

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要旨 拡大内視鏡を用いたpit pattern診断は,組織診断とよく対応している.V型pit patternはVI(irregular)型とVN(non-structure)型に亜分類され,病理組織所見における腫瘍腺管の構造異型や癌浸潤巣の露出,異常間質の出現と関連し,VI型pit patternは主としてm~sm1b癌に,VN型pit patternはsm1c以深癌に対応した.V型pit patternの鑑別を行うことにより,早期大腸癌の深達度診断を正確に行うことが可能である.ただし隆起型sm深部浸潤癌ではVN型pit patternを呈さない病変があり,現段階でのpit pattern診断の限界と考えられた.V型の亜分類VI,VNの境界は箱根シンポジウムで合意された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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