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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻5号

2004年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍に対する拡大内視鏡観察―V型pit pattern診断の問題点 主題研究

病変表層の組織構築からみたsm massive癌の診断―pit patternとSA patternを中心に

著者: 林俊壱1 味岡洋一2 太田宏信3 渡辺孝治3 石川達3 吉田俊明3 武者信行4 坪野俊広4 酒井靖夫4 石原法子5 馬場靖幸6 上村朝輝3

所属機関: 1林俊壱クリニック 2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・病態病理学分野 3済生会新潟第二病院消化器科 4済生会新潟第二病院外科 5済生会新潟第二病院病理部 6日本歯科大学附属病院内科

ページ範囲:P.753 - P.767

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要旨 深達度の面からは単純に一括されているsm masssive癌も,その表層組織構築は多様である.この多様性を拡大内視鏡である程度判別できれば,よりきめの細かい深達度診断が可能になると考えられる.このような経緯から,sm masssive癌の診断指標を明らかにする目的で,pit pattern・SA patternの両拡大内視鏡所見と,sm massive癌の表層組織構築との関係を検討した.フラクタル解析で数値化したpit patternの複雑さはsm massive癌の表層剥離の程度が進んだ病変ほど高値を呈したが,これは表層剥離の進んだ病変に高異型度癌が高頻度に存在することに依存していると考えられた.一方,SA patternは粘膜内部のみならず被覆上皮の残存程度を反映し,sm浸潤度を反映していた.

参考文献

1)工藤進英,日下尚志,中嶋孝司,他.陥凹型早期大腸癌の微細表面構造―拡大電子スコープ,実体顕微鏡の腺口形態の解析より.胃と腸 27 : 963-975, 1992
2)鶴田修,豊永純,池田英雄,他.pit patternからみた表面陥凹型大腸腫瘍の深達度診断.Ther Res 17 : 146-148, 1996
3)林俊壱,味岡洋一,馬場靖幸,他.Ip・Isp型早期大腸癌の深達度診断―ピオクタニン染色による拡大内視鏡所見の解析を中心に.胃と腸 37 : 1583-1600, 2002
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10)辻雄一郎,鶴田修,河野弘志,他.Ip・Isp型大腸癌の深達度診断―拡大内視鏡を中心として.胃と腸 37 : 1571-1581, 2002
型pit patternの面積計測による大腸sm癌の浸潤度診断の試み.早期大腸癌 6 : 578-582, 2001
12)藤井隆広,加藤茂治,斎藤豊,他.早期大腸癌の深達度診断におけるEUSと拡大内視鏡の位置づけ―拡大内視鏡を重要視する立場から.胃と腸 36 : 817-827, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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