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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻5号

2004年04月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

特異な形態を呈した孤立性胃粘膜下異所腺の1例

著者: 田所剛久1 田村智2 一森俊樹2 横山雄一1 大川内孝治2 東谷芳史1 山田高義1 大西知子1 弘井誠3 大西三朗1

所属機関: 1高知大学医学部消化器病態学 2高知大学医学部附属病院光学医療診療部 3高知大学医学部病理病態学

ページ範囲:P.821 - P.825

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要旨 患者は41歳の女性.検診で胃病変を指摘されて受診した.胃X線検査では,胃体上部大彎に頂部陥凹を有する隆起性病変を認めた.内視鏡検査では,表面平滑で口側に臍窩様の陥凹を認めた.EUSでは,第3層を主座とする隔壁を伴う無エコーと高エコーの混在を認めた.生検では,正常胃粘膜との診断であったが,深部での腫瘍性変化の可能性も否定できず,腹腔鏡補助下で胃部分切除を施行した.病理組織学的には,粘膜下層に過形成腺管を認め,胃底腺を伴っていたため胃粘膜下異所腺と診断した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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