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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻6号

2004年05月発行

文献概要

今月の主題 深達度診断を迷わせる食道表在癌―その原因と画像の特徴 主題

深達度診断を誤った食道表在癌の検討―X線の立場から

著者: 杉野吉則1 今井裕2 鈴木和代1 大須賀香絵1 栗林幸夫1 向井万起男3 小澤壯治4 北島政樹4

所属機関: 1慶應義塾大学医学部放射線診断科 2東海大学医学部放射線科 3慶應義塾大学医学部病理診断部 4慶應義塾大学医学部一般消化器外科

ページ範囲:P.871 - P.882

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要旨 食道表在癌切除例(EMR症例を含む)43症例45病変を対象に術前のX線による深達度診断を病理組織所見と対比検討した.正診はm1~m2:4/9,m3~sm1:14/19,sm2~sm3:17/17であったが,誤診例10例中深読みが8例と多くみられた.深読みについては癌の上皮内での肥厚性発育,リンパ濾胞や粘膜下層の線維化が,浅読みについては微小浸潤やinfγが原因として挙げられた.しかし,深達度診断をするのに十分な情報が得られなかった症例が多く,病変を的確に描出したX線画像,特に最深部の正確な側面像が撮影できれば,過半の症例は正診が可能と考えられた.

参考文献

1)細井董三,入口陽介,大浦通久,他.食道癌の深達度診断―二重造影像からみた深達度診断.胃と腸 36 : 283-294, 2001
2)大山隆,馬場保昌,加来幸生,他.食道表在癌のX線的深達度診断―m1~sm1癌の側面像所見について.胃と腸 32 : 1311-1322, 1997
3)加藤久人,吉田操,門馬久美子,他.早期食道癌のX線深達度診断―正面像の解析から.胃と腸 32 : 1323-1337, 1997
4)杉野吉則,今井裕,藤澤裕久,他.早期食道癌診断におけるdigital radiographyの有用性. 胃と腸 32 : 1339-1345, 1997
5)杉野吉則,鈴木和代,大須賀香絵,他.食道 X 線検査のポイント―Digital Radiography. 胃と腸 38 : 827-833, 2003
6)杉野吉則,熊倉賢二,今井裕,他.早期胃癌X線診断における装置・造影剤および検査法の進歩.胃と腸 38 : 11-20, 2003
7)八巻悟郎,長浜隆司,中島寛隆,他.食道m3・sm1癌の質的・量的X線診断.胃と腸 37 : 19-32, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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