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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻7号

2004年06月発行

文献概要

今月の主題 胃癌術後の残胃癌 主題

早期の残胃癌の特徴―診断のポイント―X線検査

著者: 浜田勉1 近藤健司1 北條裕美子1 北村成大2 奥田圭二3 岩崎良三4 八巻悟郎5 東馨5 腰塚慎二6

所属機関: 1社会保険中央総合病院内科 2社会保険中央総合病院病理 3社会保険中央総合病院放射線科 4順天堂大学医学部消化器内科 5こころとからだの元氣プラザ 6埼玉県立がんセンター放射線技術部

ページ範囲:P.1021 - P.1030

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要旨 胃癌術後の残胃癌40例を手術不能進行癌,手術可能進行癌,早期癌に分けて,部位別頻度と経過年数を調べた.その結果,術後5年以内の症例では進行癌は吻合部縫合部に多く,早期癌は残胃部に多くみられた.次に,早期発見のためのX線検査法を述べた.残胃部,縫合部,吻合部を意識して撮影することが基本である.検査は二重造影を中心として行い,それぞれの部の正面像と側面像の2方向撮影を目安とし,空気とバリウムをその都度追加する必要を認めた.さらに,症例のX線像を呈示することにより,縫合部では小彎のペッツを目印として所見を読影し,吻合部では小腸との境界部に注意することを強調した.特に陥凹型の早期癌では所見が軽微なため詳細な描出が必要であった.

参考文献

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2)白壁彦夫,浜田勉,鎗田正,他.残胃癌のX線診断.臨床放射線 27 : 593-600, 1982
3)浜田勉,近藤健司,板垣雪絵,他.残胃の癌の診断.臨牀消化器内科 12 : 1877-1887, 1997
4)浜田勉.ルーチン胃X線検査法.多田正大,丸山雅一,藤野雅之(編).胃と腸ハンドブック.医学書院,pp 92-99, 1992
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6)長与健夫.残胃の癌の現状と問題点.胃と腸 17 : 1293-1294, 1982
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8)古河洋,平塚正弘,岩永剛,他.胃癌切除後の二次癌.外科 11 : 1296-1299, 1995
9)山田達哉,吉田茂昭,鈴木雅雄,他.残胃の癌のX線診断と内視鏡診断.胃と腸 17 : 1303-1312, 1982

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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