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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻7号

2004年06月発行

文献概要

消化管造影・内視鏡観察のコツ

〔内視鏡観察のコツ〕上部消化管―ルーチン撮影法―引き抜き法

著者: 赤松泰次1

所属機関: 1信州大学医学部附属病院内視鏡診察部

ページ範囲:P.1058 - P.1062

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ルーチン撮影法の原則

 上部消化管のルーチン撮影法は,撮影した内視鏡写真が検査後に十分検討できるように以下の点について留意する必要がある.

 (1)すべての部位をくまなく観察・撮影するため,あらかじめ撮影部位と撮影順序を決めておく.漫然と検査を行うと,観察しやすい部位だけに観察・撮影が偏り,観察しにくい部位がおろそかになる.

 (2)撮影部位がわかるようなマーカー(胃角,幽門輪,胃体部大彎,噴門,上十二指腸角など)を画面内に入れた遠望撮影を行った後に,近接撮影を行う.最初から近接撮影すると,検査後に撮影した内視鏡写真を見て検討しようとしても撮影部位が判然としないことが多い.

 (3)粘膜表面に付着粘液を多量に認める場合は,プロナーゼ溶液を50ccの注射器を用いて鉗子チャンネルより直接注入して洗い流す.胃内に貯留している胃液は極力吸引してから観察・撮影を行う.また,スコープのレンズ面に粘液などが付着しないように送水をこまめに行う.ハレーションをできるだけ少なくするように,必要に応じて光量を調節する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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