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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻7号

2004年06月発行

文献概要

症例

上部消化管内視鏡検査で診断しえたズビニ鉤虫症の1例

著者: 古森正宏1 吉田道夫1 吉澤誠司2 柴田義宏2

所属機関: 1宗像医師会病院放射線科 2宗像医師会病院内科

ページ範囲:P.1075 - P.1079

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要旨 患者は75歳,女性.高度の貧血(Hb3.1g/dl)の精査のため入院し,上部消化管内視鏡検査で十二指腸に糸状の虫体を認め,回収した虫体よりズビニ鉤虫と診断した.輸血と駆虫薬pyrantel pamoateの投与で虫体,虫卵は消失し,貧血も改善した.本患者は過去2回,同様の貧血で検査を受けていたが原因は究明されておらず,原因不明の貧血を繰り返すような患者の診療に際しては本疾患も念頭に置いておく必要があると思われる.

参考文献

1)吉田幸雄.図説人体寄生虫学.南山堂,pp 104-115, 2002
2)小島莊明.NEW寄生虫学.南江堂,pp 270-275, 1993
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10)Kato T, Kamoi R, Iida M, et al. Endoscopic diagnosis of hookworm disease of the duodenum. J Clin Gastroenterol 24 : 100-102, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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