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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻8号

2004年07月発行

文献概要

今月の症例

内視鏡的切除術が確定診断に有効であった直腸MALTリンパ腫の1例

著者: 松木美知子1 小川睦美2 松岡裕士2 森田翼2 栗山茂樹2 合田吉徳3

所属機関: 1国立病院機構高松東病院消化器科 2香川大学医学部第3内科 3屋島総合病院内科

ページ範囲:P.1094 - P.1096

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 〔患 者〕 89歳,女性.

 〔主 訴〕 下血.

 〔既往歴〕 20年前に子宮筋腫の手術.

 〔家族歴〕 特記事項なし.

 〔現病歴〕 2002年6月中旬より持続性に下血を認めるため近医を受診し,精査および治療目的にて6月28日に当院へ紹介となった.

 〔来院時検査成績〕 赤血球数326万/μl,Hb11.3g/dl,Ht31.9%と軽度の貧血を認めたが,白血球数および血小板数は正常であった.血液生化学検査には異常値を認めず,CEA,CA19-9も正常値であった.

 〔大腸内視鏡所見〕 直腸下部の前壁に,径が約2cmの緊満感のあるIsp様の隆起性病変を認めた(Fig. 1a).表面は正常粘膜で覆われ光沢があり,やや白色調を呈していた(Fig. 1b).頂部はわずかに陥凹しびらんを形成しており,びらん周囲の粘膜は発赤し毛細血管の拡張が目立った(Fig. 1c).内視鏡像より粘膜下腫瘍を疑い,頂部のびらん面より生検を行ったが,結果は多形核白血球とlymphoid cellの滲出および細血管の増殖で形成された新鮮な肉芽組織であり,確定診断には至らなかった.

 〔注腸X線所見〕 直腸下部に約2cmの立ち上がりが明瞭な隆起性病変を認め,腸管壁は軽度の弧状変形を示していた(Fig. 2).

 〔超音波内視鏡所見(7.5MHz)〕 第2~3層に主座を置く比較的境界が明瞭な低エコー主体の病変を認めた.固有筋層は保たれていた(Fig. 3).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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