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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻8号

2004年07月発行

文献概要

今月の主題 家族性大腸腺腫症―最近の話題 主題

家族性大腸腺腫症の手術時期と術式に対する最近の考え方

著者: 岩間毅夫1

所属機関: 1佐々木研究所付属杏雲堂病院外科

ページ範囲:P.1137 - P.1140

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 FAPについての研究の進歩とともに,手術時期および手術術式についても,その考え方に変化がみられる.肛門機能温存大腸全摘術については,鏡視下手術その他の導入により,出血量が少なく,創が目立たず,一時的ストーマも必要がなくなった.しかし手術が治療の決定的要素である一般の消化管癌とは異なり,FAPでは,手術はむしろ治療の始まりを告げる一歩である.FAP治療の最終的目標は,①大腸癌をはじめ注意すべき癌を予防ないし早期治療して,親より長生きし,平均寿命を目指す,および②できるだけQOLを良く保つ,である.したがって大腸手術時期と術式もその戦略の中の1つの戦術として位置づけられる必要があることを述べた.

参考文献

1)Sieber OM, Lipton L, Crabtree M, et al. Multiple colorectal adenomas, classic adenomatous polyposis, and germ-line mutation in MYH. N Engl J Med 348 : 791-799, 2003
2)The Standards Task Force, The American Society of Colon and Rectum. Practice parameters for the treatment of patients with dominantly inherited colorectal cancer(familial adenomatous polyposis and hereditary nonpolyposis colorectal cancer). Dis Colon Rectum 46 : 1001-1012, 2003
3)Utsunomiya J, Iwama T, Imajo M, et al. Total colectomy, mucosal proctectomy, and ileo-anal anastomosis. Dis Colon Rectum 23 : 459-466, 1980
4)岩間毅夫.最新外科手術手技: 肛門機能温存大腸全摘術.住友製薬,大阪, 2002
5)岩間毅夫.消化管ポリポーシスの日本における現状.胃と腸 35 : 261-266, 2000
6)Church J, Burke C, McGannon E, et al. Risk of rectal cancer in patients after colectomy and ileorectal anastomosis for familial adenomatous polyposis : A function of available surgical options. Dis Colon Rectum 46 : 1175-1181, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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