icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻8号

2004年07月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

特異な形態を呈した空腸脂肪腫の1例

著者: 吉永繁高1 北村陽介1 松井謙明1 中村和彦1 原田直彦1 名和田新1 植木隆2 壬生隆一2 神代由美子3 中村典資3 八尾隆史3 高橋誠4 本田邦臣4 田中宗浩5 楠田三樹子6

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病態制御内科学 2九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科学 3九州大学大学院医学研究院形態機能病理学 4九州大学病院光学医療診療部 5社会保険仲原病院内科 6くすだクリニック

ページ範囲:P.1195 - P.1199

文献購入ページに移動
要旨 患者は63歳,男性.主訴は上腹部痛.タール便も認めたため近医に精査目的に入院,上・下部消化管内視鏡検査にて明らかな異常を認めず経口小腸X線検査にて,空腸に径20mm程度の有茎性ポリープを指摘され,当科入院となった.ゾンデ法小腸X線検査では,空腸に径30mm大の亜有茎性隆起性病変を認めた.表面性状は基部は平滑だが,頭部は粗大結節状で,基部に複数の太いひだの集中を伴っていた.小腸内視鏡検査を試みるも病変まで到達しなかった.小腸病変が消化管出血の原因と考え手術を施行した.術中内視鏡にて頭部に上皮欠損を伴う粘膜下腫瘍様隆起を認めた.病理組織学的には成熟した脂肪細胞より成る脂肪腫で,頭部にびらんを伴っていた.

参考文献

1)八尾恒良,八尾建史,真武弘明,他.小腸腫瘍―最近5年間(1995~1999)の本邦報告例の集計.胃と腸 36 : 871-881, 2001
2)春日井邦夫,宮本忠壽,横山善文,他.大量下血を来した8mmの空腸脂肪腫の1例.胃と腸 27 : 819-825, 1992
3)佐々木伸一,江頭由太郎,平田一郎,他.空腸脂肪腫の1例.胃と腸 36 : 929-933, 2001
4)本田五郎,大島茂樹,多田修治,他.漿膜側脂肪組織を巻き込んだ内翻Meckel憩室による成人腸重積症の1例.日消外誌 35 : 83-87, 2002
5)原田直彦,三澤正,中手悟,他.術前に診断しえたMeckel憩室内翻症の一例.日消誌 87 : 1456-1459, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら