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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻8号

2004年07月発行

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編集後記 フリーアクセス

著者: 牛尾恭輔

ページ範囲:P.1202 - P.1202

文献概要

 家族性大腸腺腫症(FAP)の随伴病変に関する研究で,わが国が果した役割は大きく,その後の遺伝子型-表現型相関の研究に大きな影響を与えた.ところで最近,FAPに新たな展開が生じてきた.まず,これまで腫瘍とは認知されてこなかった胃底腺ポリープに,少なからず異型を伴うことが明らかにされ,癌化した症例も報告されている.次に大腸腺腫の数が100個未満にとどまるAFAP(attenuated familial adenomatous polyposis)の発生原因として,酸化DNA障害の除去修復機構に関与するMYH遺伝子の変異が指摘されてきた.しかもその場合,常染色体劣性遺伝であるという最近の報告には驚かされる.今後,多発性大腸腺腫の分類と取り扱いにも,新たな視点が必要であろう.また本号は形態診断と遺伝子診断との融合が見て取れる.それとともに,学問の底知れぬ深遠さも覚える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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