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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻9号

2004年08月発行

消化管造影・内視鏡観察のコツ

〔内視鏡観察のコツ〕胃拡大内視鏡観察のコツ

著者: 榊信廣1

所属機関: 1東京都立広尾病院内科

ページ範囲:P.1309 - P.1312

文献概要

拡大観察の基本とは

 Fig. 1は,現在市販されている拡大電子スコープGIF-Q240Z(オリンパス)を用いて,約100倍拡大で内視鏡観察された胃体上部大彎粘膜である.斑状発赤がみられたために拡大観察したが,0.1mm前後の大きさの胃腺開口部である胃小窩(gastric pit)が白色の点として観察されている.

 筆者は1)1970年代後半に,30倍の拡大観察能を持つ拡大ファイバースコープFGS-ML II(町田製作所)で胃粘膜を観察して,拡大内視鏡観察された胃小窩単位の模様像に胃粘膜微細模様(fine gastric mucosal pattern)と名づけた.Fig. 2に示すのが当時の写真である.papilla,pit patternなどと様々な名称で呼ばれているが,胃粘膜微細模様の形態の違い,そしてそのレベルの大きさの粘膜変化を観察するのが拡大観察である.

 一方,最近では微細血管の形態変化を中心に観察する拡大内視鏡診断が注目されている.Fig. 3はIIc型早期胃癌症例であるが,このように胃癌の診断には特徴的な微細血管の観察が有用とされてきている.

参考文献

1)榊信廣.主として胃炎粘膜の拡大観察と病態生理に関する検討.Gastroenterol Endosc 20 : 330-343, 1978
2)多田正大,草場元樹,沖映希.大腸粘膜の拡大内視鏡観察.消化器内視鏡 13 : 377-383, 2001
3)吉井隆博.染色実体顕微鏡とその内視鏡検査への応用.竹本忠良,川井啓市(編).色素による消化器内視鏡検査法.医学書院,pp 11-20, 1974
4)榊信廣,飯田洋三,斉藤満,他.胃粘膜微細模様の新しい拡大内視鏡分類.Gastroenterol Endosc 22 : 377-383, 1980

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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