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今月の主題 大彎側の病変 綜説
胃体部大彎側の直視下生検
著者: 竹本忠良1 遠藤光夫1 市岡四象1 岩塚迪雄1 榊原宣1 鈴木茂1 鈴木博孝1 中村光司1 横山泉1 山内大三1 神津忠彦1 鈴木重任1 山下克子1 宮坂節子1 大井至1 長廻紘1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター
ページ範囲:P.39 - P.46
文献購入ページに移動最近数年間の胃内視鏡の目ざましい進歩によって胃内の絶対的な観察盲点は完全に克服された.すこしきつい言い方をすれば,もし病変を見落したとすると,それはどんな症例でも常に胃内全体をくまなく検査するという胃内視鏡検査の基本をくずしたためである.もはや病変の見逃しを胃内視鏡の器械的制約にのみ原因を求めることは不当であろう.とはいっても,胃内全体の観察がより容易に,しかも確実にできるような器機の改良進歩に対するきつい要求はあくことをしらない.
ファイバースコープが次第に普及したことによって,胃内病変の姿をただ1コマ位の写真フィルムで強引に憶測したり,結論づけたりすることにはずいぶん憶病になってきた.そして胃内病変を動的,多面的に把握したうえで診断することがごく当り前のことになっている.
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