文献詳細
今月の主題 早期癌とその周辺
症例特集
梅毒性乾癬を伴った胃梅毒の1例
著者: 坂本武司1 間阪孝文1 小堀迪夫1 佐藤公康1 篠井格1 荒川雅久2 津田弘純2 児島弘武2 菅田毅2 吉岡一由2 山本雅彦2 月野木清徳3 平松収4 中川定明5
所属機関: 1岡山川崎病院内科 2岡山川崎病院外科 3岡山川崎病院皮膚科 4岡山川崎病院放射線科 5岡山川崎病院病理
ページ範囲:P.1265 - P.1270
文献概要
胃梅毒は,1834年Andral2)の報告以来かなり多くの報告がなされてきたが,駆梅療法の進歩と共に激減し,最近10年間は,山田10),三方4),R. M. Mitchell5)らの例を散見するのみであった.昨年は,丸山6),春日井3),西浦7),柚木9)らの報告があり,胃疾患診断法の急速な進歩と共に,早期胃癌との鑑別7)9)あるいは早期梅毒に認められる胃粘膜変化6)などの問題を伴って新しく再登場してきた感がある.われわれは,皮膚に梅毒性乾癬を認めた第2期梅毒患者で,胃に多彩な変化を認め,胃癌を疑って胃切除術を施行したが,胃梅毒であった症例を経験したので報告する.
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