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文献詳細

雑誌文献

胃と腸4巻10号

1969年10月発行

今月の主題 早期癌とその周辺

研究

胃癌における石灰沈着について

著者: 山際裕史1

所属機関: 1三重県立大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1305 - P.1315

文献概要

胃癌における石灰沈着
Ⅰ.はじめに

 胃癌組織中に石灰沈着がみられるという最初の記載は,1931年のImbertによるものであって,以来諸外国では25例が,本邦では3例の報告がみられるにすぎない.

 石灰沈着現象自体はいかなる臓器にも起こり得る.しかしながら,悪性腫瘍組織中に石灰沈着の生ずることは比較的少なく,ことに胃癌ではまれとされてきた.最近は腫瘍組織の詳細な検討によって,乳癌などではかなりの頻度に石灰沈着を伴っていることが知られている.

 胃癌における石灰沈着の報告は少なく,自験例を除けば外国で25例,本邦で3例の文献的記載がみられ,いずれも極めてまれなものとして扱われてきた.

 筆者は本学病理教室における過去3年間の外来手術胃標本(癌)約200例のうちで1例,剖検例90のうち4例に腫瘍組織中に石灰沈着がみられたので,従来いわれるほど胃癌における石灰沈着がまれではないことを指摘し,併せて若干の考察を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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