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今月の主題 十二指腸の精密診断 症例
十二指腸ファイバースコピーで観察しえたVater氏乳頭部のIslet cell carcinomaの1例
著者: 高木国夫1 池田靖洋1 中川安房1 熊倉賢二2 丸山雅一2 染矢内記2 中村恭一3 野村新
所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2癌研究会附属病院内科 3癌研究会癌研究所病理部 4白十字会村山サナトリウム 内科
ページ範囲:P.1421 - P.1429
文献購入ページに移動胃内視鏡検査は胃カメラ,ファイバースコープの進歩により,X線検査と共に,欠くことができない検査法になって,さらに胃生検も行なわれるようになった.ファイバーガストロスコープを用いて十二指腸球部をこえ,十二指腸下行部まで挿入して観察することは,Hirschowitz(1961)2)の報告以後,Watson(1966)15)のVater氏乳頭部を直視下に観察した報告がある.本邦では,田中ら13)により胃カメラを用いて十二指腸球部の観察がなされている.1968年に,本邦およびアメリカで十二指腸の内視鏡について検討が行なわれてきている6)7)9)10)11)12).
筆者らも1968年に,十二指腸下行部を観察する目的で,全身麻酔下に,ファイバーガストロスコープを十二指腸下行部に挿入して,十二指腸粘膜の観察に成功した10)11),X線検査により発見された十二指腸下行部の腫瘤を十二指腸ファイバースコピーによって,直視下に観察した.また腫瘍部の生検を行ない,膵頭十二指腸切除によって,根治できた乳頭部のIslet cell carcinomaの症例を経験したので報告する.
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