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今月の主題 潰瘍性大腸炎 綜説
潰瘍性大腸炎に関する2,3の一般的観察
著者: 春日井達造2
所属機関: 1シカゴ大学 2愛知県がんセンター内科
ページ範囲:P.1529 - P.1535
文献購入ページに移動発病は軽くて直腸出血が唯一の症状である場合もあるが,ときには急激で,発熱,毒血症,激しい下痢,血液,電解質および液体の著明な喪失を伴うこともある.潰瘍性大腸炎の経過はいろいろで,長期の症状緩解もあリ,度々の一時的悪化もみられ,あるいは持続的な進行性疾患になることもある.再発は最初の病変,の解剖的な広さの範囲以内にしばしば現われ(例えば下行結腸,S状結腸および直腸),臨床的に病状が再び活動的になっても解剖学的にそれ以上進行しないという事実は興味のあることである.再発はしばしば感情的緊張,上気管道感染および他のいろいろな疾患,肉体的疲労,食餌の下摂生,抗生物質や下剤の使用,手術,女性の場合はまた月経などに伴っておきる.このように“triggering”(誘発因子となる)事情は多種多様であり,すべての困難な黙生活状況”を含んでいる.潰瘍性大腸炎は局部と全身の合併症をもつ疾患である.結腸の合併症は出血,結腸周囲炎,穿孔,腹膜炎,狭窄,閉塞,中毒性拡張および結腸癌の頻度の増加などである.全身的には貧血,低蛋白血症,関節炎,強直性背椎炎,仙腸骨炎,結節性紅斑,壊疸性濃皮症,虹彩炎,血管血栓症,血小板増加症,脂肪肝,肝炎,胆管周囲炎および胆汁性肝硬変,腎孟腎炎,腎石症,膵と副腎の炎症性変化および軽度の性格異常,精神分裂症,急性精神異常,麻薬常習および自殺の企てなど感情的な問題も合併症に含まれている.
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