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文献詳細

雑誌文献

胃と腸4巻2号

1969年02月発行

文献概要

技術解説

吐血早期の内視鏡検査

著者: 川井啓市1

所属機関: 1京都府立医科大学増田内科

ページ範囲:P.249 - P.255

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Ⅰ.緒言

 本邦でファイバースコープ検査により比較的系統的に,かつ多数例の出血胃を観察したのは昭和39年,第6回内視鏡学会(仙台)でのシンポジウム「ファイバースコープ」における私の報告が初めてであつたように思う.このシンポジウムは近藤台五郎博士の司会によるもので,テーマとしてはこのほかにも竹本博士の「噴門部の観察」福地博士の「幽門洞の運動」,大柴博士の「十二指腸の観察」がとりあげられており,当時日本にHirschowitz型ファイバースコープが輸入された直後で,いわばファイバースコープ検査の黎明期に当っていた.

 それまでも既に吐血早期の内視鏡検査の必要性と安全性については,食道鏡検査を含めて諸外国での報告も多く(A. Jones,E. D. Palmer),ファイバースコーフ.検査についてもHirschowitzの多数例の報告があった.私自身,軟性胃鏡で吐血1週後に検索した1例の経験はあったが,いざシンポジウムのテーマとして取りあげられ,検査の限界を検討するとなるといろいろ困った問題が起ってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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