文献詳細
今月の主題 胃癌深達度の診断と経過観察
症例
結核による十二指腸狭窄の1例
著者: 柴崎一弥1 佐々木博司1 滝本巌1 板橋博1 篠原三郎2 積惟貞2 西田一己3
所属機関: 1財団法人北海道成人病センター内科 2財団法人北海道成人病センター外科 3綜合帯広厚生病院病理室
ページ範囲:P.357 - P.361
文献概要
患者:加○清○ 34歳 男子 会社員
初診:昭和42年2月13日
手術:昭和42年2月25日
主訴:心窩部痛,嘔吐
既往歴:13歳の時,左肺結核に罹患し7力刀間の入院加療を受けた.また20歳頃に数カ月にわたり食欲不振が続き,某医を訪ずれ,慢性胃炎の診断にて外来治療を受けた.それ以後は著患を知らず正常の生活をしてきた.
現病歴:昭和41年夏頃から心窩部に重苦しい感じがあり,食欲が減退してきた.重苦しい感じは一進一退あって,時に過食の後では嘔吐することがあった.昭和42年2月10日突然原因不明の下痢があり,それは間もなくおさまったが,以来嘔気,呑酸,便秘などの症状が強く現われてきた.2月12日から嘔吐が頻回になり,心窩部痛もかなり強いものになってきたので入院した.
掲載誌情報