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文献詳細

雑誌文献

胃と腸4巻5号

1969年05月発行

今月の主題 稀な胃病変

胃内回虫症の5例―レ線像を中心に

著者: 松岡健一12 大西泰憲13 内藤尚之4 山本弘毅4 木原彊5

所属機関: 1岡山県建部町久米南町組合立福渡病院 2現水島協同病院 3現岡山済生会病院 4岡山市中央放射線診療所 5岡山大学医学部小坂内科

ページ範囲:P.589 - P.594

文献概要

Ⅰ.はじめに

 1947年,Stoll1)が世界各地の報告にもとづいて地球上における寄生虫感染状況を注意深くまとめ“This Wormy World”と題し発表した.この論文は蠕虫類が人類に非常に淫浸していることを明らかにし入々を驚かせた.なかでも回虫感染者は世界人口の約30%に及んでいた.当時の日本ではそれさえはるかに上まわる地域が多かったが,最近では,回虫の感染率は減少し都会地では皆無であるかのように思われている.しかし第1表に示すように岡山県でも地域的には未だ相当の感染率を示しており,胃腸症状を訴え,来院した患者の消化管レ線検査時に胃,小腸内の回虫陰影を証明することがある.ここに報告する症例は,最近,第1表で示した建部町で認めた2症例,岡山市内の1症例と西大寺市保健所管内で行なわれた間接レ線による胃集団検診2,068名中,邑久町で認められた2例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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