文献詳細
今月の主題 稀な胃病変
吐血を主訴としたRendu-Osler-Weber病の1例
著者: 野村益世1 平林久繁1 北村勇1 西脇宗一2
所属機関: 1関東中央病院内科 2関東中央病院皮膚科
ページ範囲:P.665 - P.668
文献概要
Rendu-osler-Weber病はosler病あるいは遺伝性出血性末梢血管拡張症hereditary hemorrhagic telangiectasiaともいわれ,triasとして粘膜皮膚の特異なtelangiectasia,telangiectasiaからの出血,遺伝性を主徴とする疾患である1)2)3)4)5).全身性のangiopathyであるが,皮膚では顔面・指腹・爪甲下などが,粘膜では鼻粘膜・舌・口唇・口腔・消化管粘膜が好発部位である.本症の症例は欧米では少なくとも300家系の報告6)があり消化器領域でも吐血下血を起す特異な疾患として広く知られている.これに反し本邦の報告例は記載不十分例・不確実な例を含めても,わずかに20家系にすぎず7)~24),消化管出血を起こした例,消化管の内視鏡検査をした例はきわめて少数である20)24).
著者らは最近吐血を主訴とした本症の1例を経験したので報告する.
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