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今月の主題 胃の変位と変形(2) 綜説
胃癌の胃変形について
著者: 白壁彦夫1 早川尚男1 栗原稔1 西沢護2 野本一夫2 伊藤俊夫2 狩谷淳2 上野正巳2 塚田隆憲2 林学2
所属機関: 1順天堂大学医学部内科 2千葉大学医学部第一内科
ページ範囲:P.845 - P.849
文献購入ページに移動いまX線所見で大切だとされているものに,胃変形,胃辺縁の異常,壁硬化,伸展不良,粘膜異常像などがある.この中で,胃変形と辺縁異常像だけで行なうX線診断の価値を考察してみた.早期癌の精密検査が行なわれている現在,また,内視鏡検査も併用してその診断の限界を追いつめている現在,なぜ,こんな余りにも古典的な行き方を主張しなくてはならないのか,という疑問がわく.今までに苦心していろいろな撮影術式を使って見つけた症例について,全く古典的な手法を当てはめ,立位充満像の変形と辺縁異常像の2所見だけを取り上げて,その診断価値の限界を改めて知ろうというのである.
どんな変形が,現状では役立つのであろうか.現時点では,どんな変形と辺縁異常をひろい上げなくてはならないか.また,その組み合わせが役立つのであろうか.Gutmannが指摘した像に,さらに何か別な所見を補足できるであろうか.どんな像をみたら,他撮影像の読影に一そうの注意を払わなくてはならないのか.また,集検問接フィルムを読むとき,どんな変形と辺縁異常像を取捨選択すればよいであろうか.これは,集検の能率化にも関係することでもある.
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