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文献詳細

雑誌文献

胃と腸4巻7号

1969年07月発行

技術解説

二重造影法の手ほどき―とくに仰臥位二重造影法について

著者: 熊倉賢二1

所属機関: 1癌研究会付属病院内科

ページ範囲:P.915 - P.920

文献概要

Ⅰ.はじめに

 胃の二重造影法には,仰臥位の二重造影法のほかに,立位や半臥位,第2斜位の二重造影法があり,さらに腹臥位の二重造影法があるが,今回は,仰臥位二重造影法だけを取り上げてみる.なにしろ,立位充盈像を撮影したあと,透視台を倒して患者を仰臥位にしてみたら,幽門部の微細病変が今までにないほど容易に,しかも,きれいに現われていたといったことから,二重造影法の開発がはじまったのである.その後,いろいろな創意工夫が加えられ,今では上述のような二重造影法が開発されたとはいっても,やはり仰臥位二重造影法が基本となるからである.

 近年,わが国では二重造法(とくに仰臥位二重造影法)が広く普及しているが,どうも,ただ漫然と二重造影像さえ撮影すれば,微細病変までもが,すべて現われるものだといったぐあいに考えている向きもあるようである.確かに二重造影法は微細病変を現わすのに非常によい検査法であるが,それはあくまでもよい二重造影像が撮れたときの話である.従って,よい二重造影像が撮れたかどうかの判定をしたうえでなければ,二重造影像の読影,ひいては二重造影法による微細病変のX線診断は成立しないのである.近年,一見よい二重造影像のようにみえながら,病変が全く写っていない写真をみせられて,読影に苦しむことがよくある.活用すれば,二重造影法は非常によい検査法であるだけに,残念だと思うことも度々である.そこで,今回はよい二重造影像とは何か,またよい二重造影像をとるためにはどうしたらよいかといったことを話題の中心にしてみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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