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文献詳細

雑誌文献

胃と腸4巻9号

1969年09月発行

技術解説

Vb型胃カメラによる噴門部の撮影

著者: 遠藤光夫1 山田和毅1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.1167 - P.1171

文献概要

Ⅰ.はじめに

 1950年,宇治らにより胃カメラが開発されて以来,胃疾患の診断は一段と進歩してきた.ごく最近になり優れたファイバースコープが出現し,微細病変の診断,動的観察が客易になったが,なお撮影が簡便であり,広角で焦点深度の深いカメラ像は捨てがたく,現在でも広く使われている.

 胃カメラ普及の当初,中山教授は噴門部,胃体上部の盲点を解消するために,それまでにあった中山式逆視式胃鏡の原理を胃カメラに応用し,1956年,Ⅱ型胃カメラのアングルをup80°まで屈曲できるように改良した逆視式胃カメラを考案した.以来長年にわたり噴門部の撮影に用いてきたが,Ⅱ型胃カメラは胃カメラとして軸も太く,かたく,さらにこまかい点で不便なところが多く,現在はV型カメラにアングル効果としてup80°まで屈曲できるようにしたVb型胃カメラを用いている.

 胃ファイバースコープを含め,現在のすぐれた胃内視鏡では,穹薩部への反転は容易で,routineとして噴門部を観察することが可能になった.しかし,Vb型胃カメラでとらえ得る噴門,胃体上部の像は近接した正面像として得られ,反転法とはちがったニュアンスをもっているので,われわれは現在でも特殊撮影用として他の内視鏡と併せて使用している.

 以下,Vb型胃カメラでの噴門部の撮影につき実際的な面からのべてみるつもりである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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