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文献詳細

雑誌文献

胃と腸4巻9号

1969年09月発行

国際委員会報告

TNM分類について

著者: 市川平三郎1

所属機関: 1国立がんセンター集検部

ページ範囲:P.1177 - P.1182

文献概要

1.TNM分類委員会について

 国際対癌連合,UICC(Union Internationale Contre Le Cancer),これは方々の参加国が会費を出しあい,日本も参加している世界の癌学者の集まりである.このUICCの中に種々の委員会が多数あって,日本からもそれぞれの委員会において多くの方が委員となっておられる.以下に述べるTNM分類委員会は,Commission on Clinical Oncology,臨床癌医学に関する委員会(委員長はフランスのDr. Denoix)に属する1小委員会である.Committee on TNM Classificationは,癌の臨床分類に関するもので,現在は(1966年以来),英国のDr. Harmerが委員長であり,世界10力国の代表が集まって,人間のすべての癌を治療前に分類しようというものである.

 ここでTはTumourのT,すなわち腫瘍の原発巣の略であり,NはRegional LymphnodeのN,すなわちリンパ節の転移を示し,MはRemote MetastasisのM,遠隔転移のことである.このTとNとMを記号化することにより,原発巣がどういうもので,どのくらいの転移をもっている癌であるのかということを治療前に臨床的に分類するのである.つまり,TはTOからT4まで,NもMも0から1まで分類して,大体1人の患者についての癌の進行程度を表わそうということなのである.どの程度の病変を1とし,どの程度のものを4とするかということに関しては,人によってそれぞれ意見が違うので,それを国際的に協調して決めようというわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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