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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻12号

2005年11月発行

文献概要

今月の主題 胃癌EMR後の異時性多発を考える 主題

胃癌EMR後の効率的なサーベイランス方法

著者: 上堂文也1 飯石浩康1 竜田正晴 山本幸子1 山本俊祐1 山田拓哉1 竹内洋司1 今中和穗1 東野晃治1 石原立1 石黒信吾2

所属機関: 1大阪府立成人病センター消化器内科 2大阪府立成人病センター病理検査科

ページ範囲:P.1633 - P.1638

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要旨 内視鏡的粘膜切除術(EMR)の適応となる分化型早期胃癌は多くが発癌の潜在能の高い萎縮性胃炎を背景に発生し,内視鏡治療は局所治療であるため,対象病変以外の同時性および異時性多発癌をいかに診断し治療するかは重要な課題である.早期胃癌EMR後の異時性多発癌の発生状況を調べたところ,43例(3.8%)に中央値で5年後,51病巣が発生していた.1年ごとのサーベイランスによって大半は内視鏡治療で対処可能な段階で発見されていたが,外科手術を要した症例を1例(0.1%)認めたことから,検査間隔の延長は現時点では望ましくないと考えられる.多発癌予防法としてのHelicobacter pylori除菌治療の評価や多発癌早期診断のための新たな検査法の開発が今後望まれる.

参考文献

1)Nakajima T. Gastric cancer treatment guidelines in Japan. Gastric Cancer 5 : 1-5, 2002
2)日本消化器内視鏡学会(監),日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会(編).消化器内視鏡ガイドライン,2版.医学書院,2002
3)Warren S, Gate O. Multiple primary malignant tumors. Am J Cancer 16 : 1358-1414, 1932
4)Kodera Y, Yamamura Y, Torii A, et al. Incidence, diagnosis and significance of multiple gastric cancer. Br J Surg 82 : 1540-1543, 1995
5)Uedo N, Iishi H, Tatsuta M, et al. A novel videoendoscopy system using autofluorescence and reflectance imaging for diagnosis of esophago-gastric cancers. Gastrointest Endosc(in press)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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