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消化管造影・内視鏡観察のコツ
〔内視鏡観察のコツ〕上部消化管―十二指腸
著者: 加藤智弘1 田尻久雄12
所属機関: 1東京慈恵会医科大学内視鏡科 2東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
ページ範囲:P.1668 - P.1672
文献購入ページに移動十二指腸は幽門輪からTreitz靭帯付着部までの約25~30cmで,球部・下行部・水平部・上行部の4つに区分される.このうち,ルーチンの内視鏡検査で最低限確認すべき範囲は球部からVater乳頭部を含む下行部までである.これより深部への挿入は困難なことが多く,必要な場合には有効長の長い十二指腸鏡や小腸鏡の使用を検討する.球部は絨毛で覆われた単一の空間として認識される.球部と下行部の境界は内視鏡観察で比較的容易に認識できる上十二指腸角(supraduodenal angle ; SDA)とその外側を結ぶ面とされる.下行部は後腹膜腔に存在し,特殊な形態を有し病変発生頻度の多いVater乳頭部が存在すること,マクロ的には輪状ひだ(Kerckring皺襞)が存在すること,などが特徴である.
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