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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻13号

2005年12月発行

今月の主題 いわゆる側方発育型大腸腫瘍の治療法を問う

主題

いわゆる側方発育型大腸腫瘍に対する内視鏡治療―スネアEMRを重視する立場から

著者: 安本真悟1 平田一郎2 浜本順博13 西川貴士1 阿部洋介1 江頭由太郎4

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2藤田保健衛生大学医学部消化管内科 3浜本クリニック 4大阪医科大学第1病理

ページ範囲:P.1781 - P.1789

文献概要

要旨

 スネアを用いた従来のEMRは比較的短時間,かつ安全に施行でき,側方発育型大腸腫瘍(IIa集簇型およびIIa非顆粒型)に対する標準的な内視鏡治療手技である.当科ではその治療方針を腫瘍径・肉眼型で区別している.すなわち,内視鏡的に良好な視野が確保可能であれば,30mm未満の病変については技術的に一括切除可能病変と考え,IIa集簇型・IIa非顆粒型のいずれの肉眼型に対しても一括切除を試みている.また30~60mmのIIa集簇型には計画的な分割切除を行っている30mm以上のIIa非顆粒型はsm浸潤の可能性が高率であり,60mm以上のIIa集簇型に関しては技術的にスネアEMRの限界と考え,これらに対しては腹腔鏡下腸切除術を選択している.スネアEMRは新しいデバイスの使用,局注液,治療手技の工夫により,大きな病変であっても一括切除率の向上が期待できる.当科での治療手技の実際と成績について述べる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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