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通常内視鏡による大腸sm癌垂直浸潤距離1,000μmの診断精度と浸潤所見―大腸癌研究会「内視鏡摘除の適応」プロジェクト研究班結果報告
著者: 斉藤裕輔1 多田正大2 工藤進英3 小林広幸4 田中信治5 鶴田修6 津田純郎7 藤谷幹浩8 武藤徹一郎9
所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター 2多田消化器クリニック 3昭和大学横浜市北部病院消化器病センター 4松山赤十字病院胃腸センター 5広島大学光学医療診療部 6久留米大学第2内科 7福岡大学筑紫病院消化器内科 8旭川医科大学第3内科 9癌研究会有明病院
ページ範囲:P.1855 - P.1858
文献購入ページに移動表面型大腸腫瘍の発見頻度やsm癌に対する内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR)件数の増加に伴い1)~3),大腸sm癌の根治基準が変更されることとなった.すなわち従来の大腸癌取扱い規約における“smにわずかに浸潤した癌(200~300μm程度に相当)”4)から,sm癌取り扱いプロジェクト研究委員会から提唱された“sm垂直浸潤距離1,000μm未満で脈管侵襲を認めない病変”5)とされ,新しい大腸癌取扱い規約にも記載される予定である.われわれ臨床医にとって今後はこのsm垂直浸潤距離1,000μmの術前診断精度の向上が重要となる.大腸sm癌の深達度診断に拡大内視鏡6)7)や,超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography ; EUS)8)が有用であることは疑いの余地はないが,一般臨床家においては時間的な制約や技術的な問題もあるため,実際にはこれらの検査を行っている施設は全体からみると少ないのが現状である9)10).
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