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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻3号

2005年03月発行

文献概要

今月の主題 特殊組織型の食道癌 主題症例

著明な発赤と特異な血管パターンを呈しadenoid cystic componentを伴ったbasaloid squamous cell carcinomaの1例

著者: 友利彰寿1 小山恒男1 宮田佳典1 堀田欣一1 森田周子1 竹内学1 米湊健1 田中雅樹1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.397 - P.402

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要旨 症例は69歳の男性で,胸部食道にSMT様病変を認めた.頂部は陥凹を呈し,口側は発赤が強く拡大観察でループ状の不整血管を認めた(partA).前壁側は中等度に発赤し拡大にて複数の無血管領域と同部を取り囲む異常血管を認めた(partB).組織学的にpartAは深達度sm2のSCCで,表層にびらんを伴っていた.拡大観察でみられた血管は従来報告されていたsm癌の血管とは異なっており,びらんに伴う新生血管と思われた.partBでは,乏血性のBSC腫瘍塊,および腫瘍塊間の血管の露呈を認めた.拡大観察でみられた無血管領域とそれを取り囲む異常血管は,乏血性腫瘍塊と腫瘍塊間の血管と考えられ,BSCに特徴的な血管像と推察された.

参考文献

1)日本食道疾患研究会,全国登録委員会(編).全国食道がん登録調査報告,1998
2)田久保海誉.腺様嚢胞癌.食道の病理,2版.総合医学社,pp 171-175, 1996
3)大橋健一.食道原発の類基底細胞癌について.病理と臨床 20 : 471-478, 2002
4)Tie-Jun L, Yong-Xin Z, Julie W, et al. Basaloid squamous cell carcinoma of the esophagus with or without adenoid cystic features. Arch Pathol Lab Med 128 : 1124-1130, 2004
5)井上晴洋,本田徹,西蔭徹郎,他.Super-Zoom電子内視鏡による食道表在癌の深達度診断.Gastroenterol Endosc 38 : 1861, 1996
6)有馬秀明.食道粘膜の拡大観察による検討.Gastroenterol Endosc 40 : 1125-1137, 1998
7)有馬美和子,有馬秀明,大倉康男,他.表在型食道癌の拡大内視鏡診断.消化器内視鏡 13 : 309-318, 2001
8)小山恒男,宮田佳典,平澤大,他.食道粘膜の拡大観察.胃と腸 38 : 1625-1628, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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