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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻3号

2005年03月発行

Coffee Break

早期胃癌の診断と治療の変遷―(2)早期胃癌の肉眼分類と治療成績

著者: 高木國夫1

所属機関: 1林外科病院

ページ範囲:P.416 - P.416

文献概要

 早期胃癌の肉眼分類が1962年に作られたと,前回,簡単に書いたが,肉眼分類が作られた経緯は,白壁彦夫先生が「早期胃癌黎明期の回想」(胃と腸28(増刊):147-160)で詳しく話されている.

 1962年に,田坂定孝先生(東京大学内科)が代表して日本内視鏡学会で「早期胃癌の全国集計」を報告し,その中で早期胃癌の肉眼分類を提示したが,その背景には,放射線科医,内視鏡医,外科医,病理医が集合して,全国から集積された537症例を検討したことがある.胃癌の組織発生(潰瘍癌,ポリープ癌などの)を除いて,病変の凹凸を中心に検討し,X線,内視鏡,外科,病理の全部が利用できる基準として,分類されたものである.翻って,早期胃癌の黎明期に活躍した欧米の研究者のその後の研究が全く進展しなかった要因の1つには,アメリカでは病理医,ドイツでは外科医,フランスではX線医が別々に研究したままで,それらがまとまった研究に進まなかったことがあると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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