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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 消化管の出血性疾患2005 総論 3.消化管の出血性疾患の鑑別診断

1)上部消化管の出血性疾患

著者: 堀田欣一1 小山恒男1 宮田佳典1 友利彰寿1 竹内学1 米湊健1 森田周子1 田中雅樹1 島谷茂樹1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.499 - P.506

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要旨 内視鏡検査時に出血性病変を認めた際には,病変をよく洗浄し,詳細に観察することが重要である.出血性病変の中には,しばしば悪性疾患が含まれており,慎重な鑑別診断を要する.上皮性腫瘍では病変辺縁の粘膜内に境界明瞭な領域性を有する病変が存在するのが特徴である.潰瘍性病変,陥凹性病変では形態,潰瘍底・陥凹内の性状,辺縁の所見に注目し鑑別をすすめる.隆起性病変では立ち上がり・表面の性状,周囲の所見に注目し鑑別を行う.また,拡大内視鏡による異常血管や腺管構造の観察は鑑別診断に有用である.一方,十二指腸病変では常に全身疾患との関連を念頭に置き鑑別診断を行うべきである.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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