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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻4号

2005年04月発行

特集 消化管の出血性疾患2005

疾患各論

4.食道腫瘍

著者: 島田英雄1 千野修1 西隆之1 木勢佳史1 剱持孝弘1 山本壮一郎1 生越喬二1 幕内博康1

所属機関: 1東海大学消化器外科

ページ範囲:P.553 - P.557

文献概要

要旨 消化管癌腫からの出血は,正常上皮粘膜が欠損していることや,腫瘍における新生血管の増生,また,血管の脆弱性によることが推測される.進行食道癌症例では出血を契機に発見される症例は少なく,嚥下障害を主訴に診断されることが多い.進行食道癌症例における出血の特徴としては,致命的な大出血を起こす危険性が挙げられる.癌表面からの出血のみならず,癌性潰瘍や腫瘍の壊死変性のため大動脈や大動脈から直接分枝する固有食道動脈や気管枝動脈への穿破によるものである.一瞬にしてショック状態となり,何らかの止血処置を施行する間もなく回復困難な状況となることが多い.臓器特殊性を踏まえての食道癌出血の現況と対策について報告した.

参考文献

1)島田英雄,千野修,西隆之,他.悪性狭窄に対する内視鏡治療―ステント挿入時期と治療の優先性.消化器内視鏡 13 : 1379-1387, 2001
2)萬篤憲,土器屋卓志,荻田幹夫,他.放射線治療と食道ステント併用の問題点.臨放 42 : 1579-1585, 1997
3)日本食道疾患研究会(編).食道癌治療ガイドライン.金原出版,2002
4)石川真平,田中晃,今本治彦,他.大量出血を来たし,食道ステントと大動脈ステントグラフトで止血しえた食道癌の1例.日消外会誌 36 : 1473, 2003
5)野口忠明,上野正紀,宇田川晴司,他.出血予防のための大動脈ステントが有効であった食道癌の1例.日臨外会誌 65 : 68-71, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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