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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 消化管の出血性疾患2005 疾患各論

7.胃潰瘍・十二指腸潰瘍

著者: 川口実1 野澤秀樹1 北洞哲治1 唐沢英偉1 南智行2 稲垣大輔2 土田知史2 岡本隆英2 岩崎博幸2 和泉秀彰3 坂井雄三4

所属機関: 1国際医療福祉大学附属熱海病院内科 2国際医療福祉大学附属熱海病院外科 3永野病院内科 4社会保険船橋中央病院内科

ページ範囲:P.567 - P.574

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要旨 胃潰瘍・十二指腸潰瘍からの顕出血に対する診断,病態,治療について述べた.診断,治療ともに内視鏡検査が有力である.診断では内視鏡検査にて露出血管を見い出しForrest分類のIa,Ib,IIaでは直ちに治療を行う必要がある.内視鏡的治療を行うには露出血管を適切な視野にもってくることが重要であり,時には先端フード装着が有効なことがある.内視鏡治療の方法には種々あるが自身の得意な方法を修得することが肝要である.胃潰瘍・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血率は高い.しかし数%ではあるが止血困難例があり,出血死も存在する.内視鏡的止血に固執することなく次の治療法を選択すべきである.

参考文献

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7)高橋寛,山口芳美,庄司達弘,他.胃・十二指腸潰瘍出血に対する内視鏡的止血法.CURRENT THERAPY 18 : 2135-2139, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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