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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻4号

2005年04月発行

特集 消化管の出血性疾患2005

疾患各論

14.Crohn病

著者: 樋渡信夫1 織内竜生1 前川浩樹2 小島康弘1 根来健一1 高木承1 相原裕之1 高橋成一1 木内喜孝3

所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院消化器科 2東北労災病院消化器科 3東北大学消化器内科

ページ範囲:P.616 - P.620

文献概要

要旨 Crohn病331例中,血便は28.6%にみられ,うち20例(6.0%)はショック症状を伴う大量下血例であった.大量下血は,腸切除歴のない症例では回腸からのものが多く,ほとんどが活動期にみられた.その再出血例も含め,腸切除歴のある症例の大量下血は,回腸吻合部の活動性の低い病変からのものが多く,ほとんどは臨床的緩解期の出血であった.出血部位の同定には,数日以内に行う経口洗浄法前処置下の大腸内視鏡検査が最も有用であった.同前処置による出血の増悪はなかった.治療としては内視鏡的止血術,腸切除とも再出血率が非常に高かった.積極的な腸切除は避けるべきである.HENによる再出血予防効果は少なかった.

参考文献

1)Driver CP, Anderson DN, Keenan RA. Massive intestinal bleeding in association with Crohn's disease. JR Coll Surg Edinb 41 : 152-154, 1996
2)八尾恒良,櫻井俊弘,樋渡信夫,他.Crohn病の長期予後に関する調査研究―累積死亡率・累積手術率について.厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班平成3年度研究報告書.pp 49-51, 1992
3)Cirocco WC, Reilly JC, Rusin LC. Life-threatening hemorrhage and exsanguination from Crohn's disease. Report of four cases. Dis Colon Rectum 38 : 85-95, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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