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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 消化管の出血性疾患2005 疾患各論

18.急性出血性直腸潰瘍

著者: 大川清孝1 青木哲哉1 上田渉1 佐野弘治1 中村志郎2

所属機関: 1大阪市立総合医療センター消化器内科 2大阪市立大学大学院消化器器官制御内科

ページ範囲:P.643 - P.646

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要旨 急性出血性直腸潰瘍は動脈硬化の要因を背景に血流低下の準備状態にある高齢者が,何らかの理由で寝たきり状態になることから,下部直腸の粘膜血流の減少を来し惹起される急性の虚血性粘膜障害と考えられている.原疾患が改善し,止血がなされれば本症の予後は良好とされており,止血が非常に重要である.ほとんどの場合は内視鏡的に止血可能であるが,不可能であれば経肛門的結紮術も考慮する.本症と診断した後は再出血と潰瘍の治癒促進のため,患者を仰臥位で放置せず適宜体位変換を行うことが重要である.

参考文献

1)河野裕利,勝見正治,浦伸三,他.脳疾患患者にみられた急性出血性直腸潰瘍の2症例.日本大腸肛門病会誌 33 : 222-227, 1980
2)広岡大司,湯浅肇,板倉恵子,他.急性出血性直腸潰瘍―臨床像を中心に.Gastroenterol Endosc 26 : 1344-1350, 1984
3)中村志郎,大川清孝,原順一,他.急性出血性潰瘍50例の臨床的検討.Gastroenterol Endosc 39 : 175-182, 1997
4)山本博,永山恵子,脇谷勇夫,他.急性出血性直腸潰瘍17例の臨床的検討.Gastroenterol Endosc 37 : 2052-2058, 1991
5)片岡孝一,鈴木雅子,高田淳子,他.急性出血性直腸潰瘍に対する手指圧迫止血法の経験.Gastroenterol Endosc 37 : 2262-2266, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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