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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 消化管の出血性疾患2005 疾患各論

22.腸管子宮内膜症

著者: 清水誠治1 富岡秀夫1 多田正大2

所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科 2多田消化器クリニック

ページ範囲:P.661 - P.664

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要旨 腸管子宮内膜症は性成熟期の女性の直腸・S状結腸に好発する.腹痛,便通異常,便柱狭小,腹部膨満,血便などの症状がみられ,約半数で月経前から月経中に症状が増悪する.画像診断上は粘膜下腫瘍として捉えられることが多いが,腸管壁への浸潤の程度によって画像所見に様々なパターンを来す.X線では横走ひだの集中を伴う粘膜下腫瘍様の隆起や,鋸歯状の辺縁が特徴的である.粘膜面に病変が存在する場合には,大小不同の顆粒集簇ないし敷石像類似の所見,網目状構造がみられる.月経周期による所見の変化は本症に特異的である.内視鏡でも同様であるが,全体像の把握はX線が優れており,生検診断も低率である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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